はじめに:「日本のクレカが一番お得」という常識は、もう通用しない
かつて、海外での支払いといえば「現金両替より、クレジットカードで決済するのが最もお得」というのが定説でした。しかし2026年現在、その常識は大きく揺らいでいます。
最近、日本のクレジットカードを使った際に「思っていたより請求額が高い」と感じることが増えました。
たとえば為替レートが 1豪ドル=109円 前後の日でも、実際の請求を確認すると 1豪ドル=114円を超えるレート で計算されていたのです。
しかもこれは、Woolworthsなどサーチャージのかからないスーパーマーケットでの決済でした。
つまり、店舗側の追加手数料が無いにもかかわらず、カード会社側の海外事務手数料だけで約4〜5%上乗せされていたことになります。
最初は為替のタイミングの問題かと思いましたが、調べてみると、その差の正体は「海外事務手数料」でした。
為替相場は1豪ドル=110円に迫る円安水準が続き、現地での生活コストは体感として年々上昇しています。そこにさらに追い打ちをかけているのが、主要カード会社による「海外事務手数料」の大幅な値上げです。
気づかないまま日本のカードを使い続けると、手数料だけで年間数万円規模の損失になることもあります。本記事では、最新の手数料データをもとに実態を整理し、今すぐ取れる対策をご紹介します。
1. 手数料の「二極化」が加速している(2026年版)
主要カード会社の海外事務手数料は、ここ数年で大幅に改定されています。かつては2%前後が標準でしたが、2026年現在はVisa・Mastercardブランドを中心に3.63〜3.85%が当たり前となっています。
| カード会社 / ブランド | 改定前 | 2026年現在(税込) |
|---|---|---|
| 楽天カード(全ブランド) | 2.20% | 3.63% |
| 三井住友カード(Visa/MC) | 2.20% | 3.63% |
| アメックス(マリオット等) | 2.00% | 3.50% |
| 三菱UFJニコス(JAL Visa等) | 3.63% | 3.85% |
| JCB(自社発行)/ イオン | 1.60% | 1.60% |
注目すべきは、主要ブランドとJCBとの格差が2倍以上に広がっている点です。「マイルが貯まるから」という理由だけでVisa/Mastercardブランドのカードを選び続けるのは、今や合理的な選択とは言い難い状況です。
※手数料は各社の公式発表に基づきます。最新情報は各カード会社の公式サイトでご確認ください。
2. 1,000豪ドルの決済でこれだけ差が出る
実際に1,000豪ドル(約11万円、1ドル=110円換算)を決済した場合の実質コストを比較しました。
| 決済手段 | 手数料率 | 手数料額 | 還元(マイル等) | 実質負担 |
|---|---|---|---|---|
| JALカード(Visa) | 3.63% | 3,993円 | 1,100マイル | ▲2,893円 |
| アメックス(プレミアム) | 3.50% | 3,850円 | 3,300pt ※ | ▲2,200円 |
| JALカード(JCB) | 1.60% | 1,760円 | 1,100マイル | ▲660円 |
| Wise(デビットカード) | 約0.6% | 約660円 | なし | ▲660円 |
※1ポイント=0.5円換算。JALカードはショッピングマイル・プレミアム加入時。Wiseの手数料は目安です。
この比較から明確なのは、「マイル還元率1%のために、手数料3.63%を支払う」という構造です。円安で1円でも節約したい局面において、この逆ざやは無視できません。
3. オーストラリア特有の「二重課金」に注意
日本のカードを使うコストをさらに押し上げるのが、オーストラリア独自の慣習であるサーチャージ(Surcharge)です。
サーチャージとは、店舗がカード決済手数料を客側に転嫁する仕組みで、カフェやレストランを中心に1〜2%程度が上乗せされるケースが一般的です。
日本のカード手数料(約3.6%)と現地サーチャージ(約1.5%)が重なると、合計で約5.1%のコストが発生します。現在の為替水準(1ドル=110円)に当てはめると、実質1ドル=約115.6円で買い物をしていることになります。
日々の積み重ねとして考えると、決して小さくない金額です。
4. まず取るべき対策:Wiseデビットカードで「穴」を塞ぐ
手数料の問題を根本から解決するために、私が最初に導入したのがWise(ワイズ)が提供するデビットカードです。
Wiseは国際送金・両替サービスとして知られていますが、デビットカードとして日常の支払いにも利用できます。その最大の特長は、中間マージンのない実勢レートに近い為替レートと、約0.6%という低い手数料です。
Wiseを選ぶ理由
手数料の大幅削減 日本のVisa/Mastercardカード(3.6%〜)と比較して、手数料を6分の1以下に抑えることができます。月に$1,500を決済する場合、年間で約$75〜$90相当のコスト削減につながります。
円安への備え レートが有利なタイミングであらかじめ日本円を豪ドルに両替して保持しておくことができます。円安が続く局面では、この「レートの固定」機能が資産防衛として機能します。
移住初期の大口支払いに特に有効 ボンド(敷金)や家具購入など、移住初期に発生する数十万円規模の支払いで、手数料の差が最も大きく表れます。
Wiseの詳しい使い方やメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
Wiseへの登録は以下のリンクから行うと、最大75,000円分の送金手数料が無料になる特典が適用されます。
[▶ Wiseに無料登録して初回手数料無料特典を受け取る]5. まとめ:日本のクレカに頼り続けることのリスク
本記事の要点を整理します。
2026年現在、主要な日本のVisa/Mastercardカードの海外事務手数料は3.6%を超えており、オーストラリア現地のサーチャージと合わせると5%以上のコストが発生するケースがあります。マイル・ポイント還元だけでこの差を埋めることは、現実的に困難です。
まずはWiseデビットカードを導入して手数料の「穴」を塞ぐことが、オーストラリアでの賢い資産管理の第一歩です。
次回:手数料ゼロどころか「もらう側」へ――HSBC × ING 二刀流戦略
日本のカードの問題点が整理できたところで、次のステップは「いかに手数料をゼロにし、逆に還元を受けるか」です。
次回は、私がシドニー生活の基盤として活用しているHSBC × ING の二刀流戦略を徹底解説します。
- HSBC Everyday Global:$100未満のタッチ決済で2%キャッシュバック(手数料を払うのではなく、受け取る)
- ING Orange Everyday:2026年に年利5.00%を達成した、移住者向け最強の貯蓄口座
将来の住宅ローンまで見据えた、オーストラリア在住者のための銀行戦略を詳しくご紹介します。










