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ブリスベン vs シドニー|シェフとして働くならどっち?【給料・チップ・生活】




オーストラリアでシェフとして働くことを考えた時、意外と大事なのが「どの都市を選ぶか」です。

同じオーストラリアでも、シドニーとブリスベンでは、給料、チップ、雇用形態、生活コスト、交通事情までかなり違います。
実際に働いてみると、「オーストラリアでシェフをする」と一括りにはできないと感じます。

私自身、シドニーとブリスベンの両方で働いてきました。
その上で思うのは、稼ぎやすさや働きやすさを重視するならシドニー、入りやすさや生活コストとのバランスを重視するならブリスベンという傾向があることです。

ただし、これは単純に「どっちが良い」という話ではありません。
どんなキャリアを作りたいのか、何を優先するのかによって向き不向きは変わります。

この記事では、実体験ベースでブリスベンとシドニーの違いを整理していきます。

結論|稼ぎやすさはシドニー、入りやすさはブリスベン

最初に結論から言うと、シェフとしての収入面やチップ、仕事の選択肢を重視するならシドニーの方が強いです。

一方で、ブリスベンはシドニーよりも生活コストが抑えやすく、店によっては入りやすさを感じる場面もあります。
ただ、その分だけ給与水準やチップの差、雇用条件の弱さを感じることもありました。

つまり、

  • 稼ぎやすさ・チップ・夜の移動のしやすさならシドニー
  • 生活費の軽さや、都市の規模感の落ち着きならブリスベン

という印象です。

ただし、永住権やスポンサーまで視野に入れて考えると、この差は思っている以上に大きいです。
単に「住みやすいか」だけで都市を選ぶと、後でズレる可能性があります。

給料の違い|ブリスベンはシドニーより低めに感じた

まず分かりやすいのが、給与レンジの違いです。

私の体感では、ブリスベンの方が全体的に給料水準が低いと感じました。
特に求人を見ていても、ブリスベンでは CDP クラスで $65k〜 というラインが普通に出てきますが、シドニーではそれでは厳しいと感じることが多いです。

もちろん、店の業態やポジションにもよります。
ただ、同じ「シェフ」と言っても、都市によって“相場感”が違うのはかなり大きいです。

実際、ブリスベンでオファーや面接の話を受けた時に、こちらが想定しているレンジと、相手が考えているレンジにズレを感じることもありました。
その意味でも、ブリスベンでは「思ったより安い」と感じる人は多いと思います。

逆にシドニーは、家賃が高い分、給与レンジもある程度それに合わせた感覚があります。
生活コストは高いですが、その分だけ稼げる余地もある、というのがシドニーの印象です。

チップの違い|ここはかなり大きい

私が実際に働いていて、かなり差を感じたのがチップです。

シドニーでは、フルタイムで働いていれば週 $200 前後のチップが入ることも珍しくありませんでした。
学生ビザで casual で働いていた時ですら、少ない時でも $30、多い時は $100 を超えることもあり、9か月で合計 $1,805 もらっていました。

一方で、ブリスベンではかなり厳しかったです。

私自身、SUSHI ROOM で9か月働いて、受け取ったチップは 合計 $100
週38時間近く働いていてこれだったので、正直かなり驚きました。

妻もブリスベンで The Fifty Six でスーシェフとして働いていましたが、チップは安い週だと $5 未満
オープン時期の忙しかったタイミングで最高 $120 程度あったものの、それがずっと続くわけではありませんでした。

この差は、都市の違いだけでなく、店の業態やチップ文化の違いもあると思います。
ただ、少なくとも私たちの実体験では、チップの期待値はシドニーの方が明らかに高かったです。

額面の時給や年収だけで見ると見落としやすいですが、実際に手元に残る金額を考える上で、チップ差はかなり大きいです。

雇用形態の違い|casualの重みは思ったより大きい

シドニーとブリスベンの差は、単なる給料だけではありません。
雇用形態の違いも、かなり生活に影響します。

私がブリスベンで強く感じたのは、full time になれそうでならない、casual のまま曖昧に引っ張られるケースがあることです。
もちろんこれは店によりますが、現場によっては「そのうち full time にしてあげたい」と言われながら、実際には変わらないまま進むこともあります。

casual は時給で見ると悪くないように見えることもありますが、生活の安定性は別です。
シフト次第で収入が変わりますし、休みや今後の見通しも不安定です。

逆に、シドニーでは full time で入ることの意味が分かりやすかった印象があります。
もちろんどの都市でも店次第ではありますが、少なくとも私の経験では、ブリスベンの方が「条件が曖昧なまま始まりやすい」感じがありました。

永住権やスポンサーまで考えるなら、ここはかなり重要です。
時給だけでなく、雇用形態がどうなるのか、いつ切り替わるのか、最初にどこまで確認できるかが大きな差になります。

生活コストの違い|家賃だけでなく水道と交通も違う

生活コストについては、シドニーの方が高いというイメージはその通りです。
ただ、実際に暮らしてみると、細かい差もかなりあります。

例えば、私の経験ではシドニーの住居は家賃に水道代が含まれていることが多かった一方で、ブリスベンではテナント側が水道代を払うケースがありました。

また、交通費はブリスベンの方がかなり安いです。
ブリスベンは $0.50 運賃 のインパクトが大きく、日中の移動コストだけを見るとかなり助かります。

ただし、その代わりに終電や終バスが早いという問題があります。
レストラン勤務のように夜遅くまで働く仕事だと、公共交通機関だけで完結しにくく、結局 Uber を使わざるを得ないことがあります。

シドニーは交通費自体は高めで、週の上限もあります。
でも、深夜まで電車やバスが動いているので、仕事終わりの移動はかなりしやすいです。

つまり、単純に「ブリスベンは交通が安い」「シドニーは高い」ではなく、
働く時間帯まで含めると、シドニーの方が生活を組みやすい面もあるということです。

働きやすさと店の雰囲気|シドニーの方が緊張感はあるが、選択肢も多い

ここは完全に体感ですが、シドニーの方が店のレベル感や競争環境は高いと感じます。
その分、求められるものも高いし、働く側としては楽ではありません。

ただ、都市の規模が大きい分、店の数も業態も多く、自分に合う場所を見つけやすい面があります。
条件が合わなければ次を探すという選択肢を持ちやすいのも、シドニーの強みだと思います。

一方で、ブリスベンは都市規模がコンパクトな分、選択肢がそこまで多くありません。
その店が合わない時の逃げ道が少ないと感じることもありました。

また、客層や立地によってもかなり働きやすさは変わります。
ブリスベンでは立地によって、グルテンフリーやアレルギー対応などがかなり多く、現場のオペレーションに負荷を感じることもありました。

もちろん、それ自体は店や地域の特徴なので良い悪いで片付ける話ではありません。
ただ、実際に働く側としては、都市によって“しんどさの種類”が違うと感じます。

どちらを選ぶべきか|タイプ別に考える

ここまでの話を整理すると、向いている人は少し分かれます。

シドニーが向いている人

  • 給料やチップを重視したい人
  • 夜の移動のしやすさを重視したい人
  • 店の選択肢が多い都市で働きたい人
  • ある程度の競争環境でも戦える人
  • すでに経験があり、より良い条件を狙いたい人

ブリスベンが向いている人

  • シドニーより落ち着いた都市規模を好む人
  • 家賃などの固定費を少しでも抑えたい人
  • 最初の入口として仕事を探したい人
  • 都市の空気感や生活のしやすさを重視する人

ただし、もしテーマが「永住権を狙うためにどちらが有利か」なら、私はかなり慎重に考えます。

なぜなら、永住権やスポンサーまで見据えると、収入、条件、雇用形態の差が後でじわじわ効いてくるからです。
単純な住みやすさだけで都市を選ぶと、長期的にはズレる可能性があります。

結論|住みやすさだけでなく、どう戦うかで都市を選ぶべき

ブリスベンとシドニーは、どちらが絶対に上という話ではありません。
ただ、シェフとして働くという観点で見ると、かなり前提が違います。

ブリスベンは、生活コストや街の規模感では魅力があります。
一方で、給与水準、チップ、雇用条件、夜の移動などを含めると、シェフとしてはシドニーの方が戦いやすいと感じる部分が多いです。

少なくとも私自身の経験では、稼ぎやすさと働きやすさを両方考えた時、シドニーの方が総合的には強かったです。

だからこそ、都市選びは「どっちが好きか」だけではなく、
自分がその都市でどう働き、どう生活し、どう先につなげたいのかで決めた方がいいと思います。

次は、もっと数字の部分に絞って、オーストラリアのシェフの給料とチップのリアルについて整理していきます。




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ABOUT US
Ryuji
35歳で一念発起し、オーストラリア永住権を目指して渡豪した料理人の記録。2023年にシドニーの調理学校からスタートし、ブリスベンでのシェフ経験を経て、2026年3月に再びシドニーへ。パートナービザを取得し、夢の永住権(801)申請へと歩みを進めています。 旅・温泉・グルメを愛し、将来の目標は「赤提灯でホッピーを嗜む渋いイケおじ」。異国の地で包丁を握りながら、理想のライフスタイルを追求中です。